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クレジットカードの新形態「ナンバーレス」「カードレス」その活用術と注意点 - ライフハッカー[日本版]

共働き、共家事、共育児中のファイナンシャルプランナー山崎俊輔さんによるマネーハックコラム。10月はクレジットカードの新事情とその活用法を提案します。


私たちがキャッシュレス決済の一番手として活用しているのは、電子マネーではなくクレジットカードという古くからある仕組みです。

インターネットで買い物するとき、スマホ代の支払いなどに誰もが利用するそのクレジットカード。最近ユニークな「新顔」が登場しています。

ひとつは「番号が書かれていない」クレジットカード、もうひとつは「カードそのものが存在しない」クレジットカードです。

今回はそうした新しいクレカとその活用法を考えてみます。

カードに番号が書かれていない「ナンバーレスカード」

ひとつめの動きは「ナンバーレス」です。クレジットカードといえば番号が書かれているのは当たり前だと思っていますが、その番号、いつ使うのでしょうか。

今は店頭で決済する場合は、磁気を読み取るか、ICチップでカード情報のデータを読み取るので、「カードに記載されている番号」そのものは決済に使われていません

かつてはクレジットカードに番号が凸凹で刻まれている必要性がありました。伝票をカーボン紙で挟んでガチャンと押して複写し、控えをカード会社とお店が残しておく必要があったからです(私が子どものころ、親が使った記憶ですから、ほとんどの若い人は見たことがないでしょう)。

カード番号を手入力する必要があって、目視することもあります。例えばECサイトの買い物をするためオンライン決済をする場合、財布からカードを取り出し、番号を目視し入力します。

しかし、スマホアプリ等の設定が済んでいれば、これも「カードに記載されている番号」がなくてもいいはずです。

むしろ番号が刻まれていることが番号を盗み取るリスクにつながっていることもあり、「番号が書かれていないクレジットカード」が発行されるようになりました。

ナンバーレスカードを見てみると、磁気部分とICチップだけがクレジットカード風なだけで、名前だけがプリントされています。カード会社のロゴがあるのでようやくクレジットカードだとわかります。なんとも不思議な感じです。

しかし、カードとしては問題なく使える仕組みで、番号の確認はスマホアプリで行ないます。三井住友カードセゾンカードで導入されています。

ナンバーレスカードのメリット

  • 番号を盗み取られるリスクが減る

プラスチックのカードがない「カードレスカード」

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Image: Shutterstock

番号がプリントされていないクレジットカードがあるなら、「もしかして、カードそのものがなくてもクレジットカードって成立するんじゃない?」という感じもします。

「カード番号」「セキュリティコード」「利用期限年月」「氏名」「暗証番号(WEB用の追加暗号含む)」があればクレジットカードの取引が成立します。オンライン決済などは、プラスチックのカードそのものは必要ありません。

店頭ではカードを端末に差し込む必要があったので、ニーズがあるように思えますが、最近のキャッシュレス決済端末は、スマホに設定(Apple PayもしくはGoogle Payに登録)してタッチ決済に用いれば、これまたカードは不要です(対応端末であることが条件)。

むしろカードの発行費用や郵送コストがかかりますし、カードを持つことそのものが盗難リスクともいえます。

そこで、誕生したのが「カードレス」です。

スマホアプリを使ってカード発行を申し込むことで、クレジットカードを発行でき、番号等はアプリで表示されます。また、Apple Payに登録することで、タッチ決済をしたり、iDやQUICPayとしての支払いも可能になります。

現状では、三井住友カードがカードレスの発行を開始しており、アプリから申し込みし承認がおりればすぐに利用が可能になります。三井住友カードが発行する「カードレスLINEクレカ(Visa LINE Payクレジットカード)」もありますので発行時に選択できます。

(※執筆時点ではGoogle Payに対応しておらず、タッチ決済はiPhoneのApple Payのみ。)

発行までの時間短縮が可能になるのもカードレスの良さです。ウェブでは最短5分と説明されています。

(実は、セゾンカードもアプリから申し込むと、承認時点でカード番号が発行されオンライン利用が可能になります。後日、プラスチックのカードが郵送されます。)

カードレスクレカのメリット

  • 申し込みから使用までスマホで完結
  • 発行までの時間がかからない(最短5分)
  • タッチ決済が使える(現状Apple Payのみ対応)
  • 盗難リスクやスキミングされるリスクが減る
  • 利用通知が届いたり履歴確認ができるため、不正利用に気がつくのが早い
  • 紛失時には、リモートロックして不正利用を防げる
  • 荷物のミニマル化
  • 脱プラスチック

スマホのセキュリティ設定は必須。フィッシングにもご注意を

さて、カードの概略を説明してきましたが、肝心なのはその活用術です。

第一に、カードそのものが存在しない、あるいは番号記載がないということを生かした利用法を考えてみます。

まずセキュリティの向上が期待できます。特にカードレスは盗難リスクやスキミングされるリスクがなくなります。また、スマホアプリの設定で、利用通知が届いたり履歴確認ができるので不正利用に気がつくのも早くなります

日常生活も少し変化しそうです。

ECサイトの利用はもちろんですが、スマホを使ったキャッシュレス決済を中心とした生活に移行できます。プラスチックのカードを示すだけでも十分にキャッシュレスでしたが、スマホをタッチする決済に慣れていくと、財布の出し入れがなくなりより便利になります。

カードレスカードは持ち歩くもの自体を減らせますから、財布をミニマム化するにももってこいです。やってみると財布の中身の大部分が「スマホに入る」と思います。

プロモーションとして高還元率を提示していることもあります。

例えば三井住友カードのカードレスの場合、コンビニエンスストアでVisaやMasterカードのタッチ決済(iDではなく)で支払うと、5.0%還元を行なっています。将来的に継続するかは不透明ですが、かなりお得といえます。

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Image: Shutterstock

一方で注意もあります。

まず絶対に設定しておきたいのはスマホのロックです。パスコードではなく、指紋もしくは顔を使った生体認証を基本としておきましょう。スマホを起動される恐れと、カードの不正利用される恐れ、双方を防ぎます。

紛失時も、「探す」機能を使った現状確認方法があるので使い方を覚えておきたいものです(家族や友人のスマホからアクセスすることもできる)。

また、紛失モードに移行すると、リモートロックされて不正利用に歯止めがかけられます(iPhoneの場合。Androidにも同等の機能あり)。

もうひとつ注意したいのはフィッシング詐欺です。

どんなにナンバーレスになってもカードレスになっても、「あなた自身」が誤入力をしてカード番号や暗証番号を入力すればおしまいです。

ECサイトやカード会社の偽装したメールやメッセージに引っかからないようにしましょう(日本語が不自然なメールだと笑っているうちに、偽装は巧みになっていくのでご注意を)。

キャッシュレス決済の進展とECサイトの利用拡大は、クレジットカードの活用シーンを増やしています。ナンバーレスやカードレスのクレジットカードを上手に利用してみたいところです。

山崎俊輔

フィナンシャルウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー。夫婦で共働き、共家事、共育児しながら子どもふたりを育てている。

Source: 三井住友カード (1,2), セゾンカード, LINE Pay, Apple, Google

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October 31, 2021 at 08:05PM
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