海外案件を専門に取り扱うソーシャルレンディングサイト「クラウドクレジット」。そのクラウドクレジットが、2019年11月29日(金)に東京・茅場町で新たな資産運用の形を提唱するイベント「アクティブ投資ナイト」を開催しました。
そのイベントのレポートをお伝えするとともに、クラウドクレジットが目指す投資の形を探ってみましょう。
目次
1.アクティブ投資ナイトとは
アクティブ投資とは多種多様な投資商品の中から、市場の動向に左右されず積極的な投資で高い利回りの獲得を目指す、投資手法や投資ファンドのことを指します。対照となるものとして、市場の相場や指数に連動して利益の獲得を目指すインデックス投資があります。
インデックス投資は収益を手堅く目指すのに対し、アクティブ投資は高い収益を目指す代わりに、一定のリスクを織り込んだ投資となる特徴があります。
日本では退職時2,000万円貯蓄時代が到来し、2,000万円を貯めるためには、「貯蓄から資産形成へ」を行うことが注目されつつあります。そこでよりアクティブに利益を獲得することを目指す「アクティブ投資」の専門家が集い、その手法や意義をディスカッションするイベントとして、この「アクティブ投資ナイト」が催されました。
2.当日の登壇者
当日は金融業界の最前線に立つ、各アクティブ投資の関係者たちが登壇。3部構成で以下のセッションが行われました。
第1部:株式アクティブ運用の神髄
ゲスト:コモンズ投信株式会社代表取締役社長 兼 最高運用責任者 伊井 哲朗氏
アセットマネジメントOne株式会社 運用本部 株式運用グループ 国内株式担当 ファンドマネージャー 岩谷 渉平氏
第2部:グローバル運用と積立投資
ゲスト:セゾン投信株式会社 代表取締役社長兼CIO 中野 晴啓氏
tsumiki証券株式会社 代表取締役CEO寒竹 明日美氏
第3部:オルタナティブ運用のフロンティア
ゲスト:株式会社GCIアセット・マネジメント代表取締役CEO 山内 英貴氏
クラウドクレジット株式会社代表取締役社長 杉山 智行氏
また1部から3部のモデレーターとして、ロボット投信代表取締役社長 野口 哲氏も参加。
開会に際しては、杉山智行社長が「アクティブ投資に関する催しがこれまではなかった。第1回ということで、今後皆様の意見も頂いて、切り口を変えるなどどんどんムーブメントを起こしていきたい。まだこのベントもゼロベースから起ち上げられたものなので、今後も皆で作っていきたい」と今回の目的と意欲を語りました。
3.第1部:株式アクティブ運用の神髄レポート
第1部「株式アクティブ運用の神髄レポート」は伊井哲朗氏と岩谷渉平氏が登壇。二人はアクティブ投資を積極的に行っている第一人者として、利益を出すための指針を講話。
岩谷氏は「異端を目指し、インデックス投資から外れた投資が今の時代に必要。いい会社の株式を長く持ち、買い場を逃さないことが重要」と語りました。
伊井氏は「アクティブ投資は企業への提言にもつながる。利益の獲得を目指す良きパートナーとして伴走したい」と自身の哲学を披露。また必ずしもアクティブ、インデックスの片側だけに投資するのではなく、併用ももちろん視野に入れたいと話していたのも印象的でした。
4.第2部:グローバル運用と積立投資レポート
第2部では中野晴啓氏と寒竹明日美氏が登壇。
中野氏はグローバルポートフォリオの構築を目指し、世界の経済成長に連動する、世界全体に投資することが、アクティブ投資の意義であり、利益を獲得するために必要だと持論を披露。
寒竹氏は投資信託を運営する側の立場として、より容易に悩まず投資できる、キャッシュポイントの獲得が重要と語りました。そして投資を続けられる仕組みづくりこそが、日本でのアクティブ投資の定着に必要だとし、その仕組みを作ることが自分たちの使命と感じているとも話していました。
5.第3部:オルタナティブ運用のフロンティアレポート
第3部は山内英貴氏と杉山智行氏が登場。
山内氏は、アクティブ投資とは伝統的な投資手法とは異なる位置づけにある投資手法である。長期投資戦略の基盤は、ドローダウンの許容に気を配りながら投資することが重要であり、安定した利益の獲得に必要と、ポイントを纏めました。
そのためには個人の考えをできるだけ介在させないシステムを導入していると、自社のコツも披露。同社では市場のトレンドフォローを行うことで、人間で想定できないリスクのカバーを行っているとも話しています。
クラウドクレジット杉山社長は、まずソーシャルレンディングの仕組みや収益性を説明。その手法は世の中の資産に流動性をもたらす意義があり、新興国中心の投資とすることで、高い収益性も両立できると説明。
新興国は経済の成長に著しいだけに高金利での融資でも、市場の成長がその金利を上回るものがある。つまり「経済の成長から、融資の金利でおすそ分けでもらうことができる」ことがクラウドクレジットのビジネスになっていることを語り、参加者からも納得の声が上がりました。
またクラウドクレジットを起ち上げた意味、海外投資専門の会社としていることは、杉山社長が外資系金融機関に勤務して、ワンクリックでお金が動く世界と、会社としてそのシステムを作り、つなげる仕事をしたかったという、背景も語られました。
まとめ
閲覧者からの質疑応答も盛り上がったこの「アクティブ投資ナイト」。結論としてはどの登壇者も、
- インデックス投資VSアクティブ投資という構造にはならないこと
- 良い企業に投資することは、いい会社を作る
- 利益が出て、お金が流れる仕組みの構築が重要
- 日本では投資は必ずしも善とされないだけに、世間に金融商品の理解を深めていく必要がある
という考えを再確認していました。
また主催者であり発起人であるクラウドクレジット杉山社長は、次回開催への意欲と「必ずしも次回も自分が主催するのではなく、主催として手を挙げる人が出てきてほしい、周囲を巻き込んで広げていきたい」というアクティブ投資ナイトのさらなる発展への展望も語っていました。
HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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December 28, 2019 at 02:29PM
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