米社債市場が相場上昇に沸いている。これはもちろん米連邦準備制度理事会(FRB)がこれまでに発表した一連の措置のおかげと言えそうだ。しかし、米経済は先行き困難が予想され、FRBとして企業向けクレジット市場の警報解除を宣言するには時期尚早と考えられる。
米国の投資適格企業の借り入れコストは過去最低水準近くに低下し、こうした企業による今年の債券発行額は過去最速ペースで1兆ドル(約109兆円)の大台に乗せた。FRBが社債市場に流動性を供給すると約束しただけで、実際にはほとんど資金を投じてもいない段階で、市場の緊張緩和に寄与したことを裏付けている。
その一方で、新型コロナウイルス感染拡大の打撃に対処するFRBの緊急融資プログラムは緒に就いたばかりだ。9、10両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に記者会見するパウエルFRB議長は、市場の流動性を支える一連の措置について、現時点では一部のプログラムはほとんど必要でないとしても、全て導入する方針を重ねて表明するものと見込まれる。
5月の米雇用統計では労働市場の予想外の改善が示されたものの、失業率は13.3%と前回のリセッション(景気後退)時のピークを依然として大きく上回っており、個人消費や企業売上高の伸び悩みを背景に経済低迷が長引く懸念もある。
FOMC参加者は10日に最新の経済予測を公表する予定だが、米金融当局としては失業率が完全雇用水準と推計される4.1%に近づくまで、クレジット市場支援と金融政策による経済下支えを引き続き堅持する公算が大きい。
マクロポリシー・パースペクティブズのジュリア・コロナド社長は「FRBがやったことは、経済危機が金融危機になるのを防ぐことだ。今、それを解除し始める時だとは言わないだろう。戦略通りの展開になっても当然のこととして受け止めることはないだろう」と語った。
FRBは3月23日、企業の社債発行やシンジケートローンによる資金調達の一部を引き受ける「プライマリーマーケット・コーポレートクレジットファシリティー(PMCCF)」と、投資適格社債や高リスク・高利回りのジャンク債の上場投資信託(ETF)を買い付けたり、流通市場で既発社債を購入したりする「セカンダリーマーケット・コーポレートクレジットファシリティー(SMCCF)」を発表した。
この発表以降、投資家の旺盛な需要にうまく応える形で、投資適格企業と社債利回りが高めの企業はいずれも過去最速のペースでの借り入れに動いた。
事情に詳しい複数の関係者によれば、PMCCFの運用開始は2、3週間先となる見通し。SMCCFのうち運用が始まったのはETF購入の部分だけで、6月2日時点で連邦準備制度のポートフォリオには43億ドル相当の計上があった。
FRBは破綻企業の救済が自分たちの仕事ではないことを明確にしている。ただ、企業債務に流動性の支えを提供する使命をやり通すことで、他にはもうやるべきことはあまり残されていないのではないかと投資家は問い掛けている。
ルーミス・セイレスのポートフォリオマネジャー、エレーン・ストークス氏は、米金融当局が企業向けクレジットで非常に大掛かりな措置を発表した結果、「投資家が仕事を引き受けて、当局の代わりに修復してくれた。当局は十分なことをやったが、必要があれば手を差し伸べると言ったとしても害はないだろう」と話した。
原題: Fed to Stay Full Throttle With Credit Support Despite Debt Rally(抜粋)
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June 08, 2020 at 12:46PM
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米FRB、企業向けクレジット市場支援に抜かりなし-社債相場上昇も - ブルームバーグ
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