日々の買い物や公共料金の支払い、業務上の精算などさまざまなシーンで利用されているクレジットカード。キャッシュレス決済の中で最も普及率が高く、私たちの生活の中で身近な存在です。
クレジットカードに申し込みたい人の中には、過去に審査落ちしたことがあったり、収入が不安定であったりして、審査に通るのか不安という人もいることでしょう。そんな人には、デポジット型のクレジットカードがおすすめです。
この記事では、デポジット型クレジットカードの特徴やメリット・デメリット、おすすめのカードをご紹介します。
デポジット型クレジットカードの特徴
デポジット型クレジットカードはあまり馴染みがないため、どんな仕組みなのかよくわからないという人もいることでしょう。
そこでまずは、デポジット型クレジットカードの特徴からご紹介します。
保証金を預けて使用する
デポジット型クレジットカードは、一定額の保証金（デポジット）をクレジットカード会社に預けたうえで使用するのが最大の特徴です。デポジットの必要金額は、クレジットカード会社によって異なります。
また、一般的なクレジットカードの場合、利用限度額は一般カードでは10〜100万円程度で、信用情報をもとにさまざまな条件によって設定される仕組みです。
しかし、デポジット型クレジットカードの場合は、入金したデポジットの金額が利用限度額となります。
そのため、公共料金の支払いなどにしか使わない場合は数万円程度を、買い物にも頻繁に使う場合は、それなりの金額をデポジットするといったようにすることで、自分に適した限度額にすることが可能です。
1〜2ヶ月後に口座から利用額が引き落とされる
デポジット型クレジットカードも一般のクレジットカードと同様、利用金額は1〜2ヶ月後の支払日に指定口座から引き落とされます。
チャージ不要で使用できる
入金した金額分しか利用できないと聞くと、「プリペイドカードのように都度チャージする必要があるのでは？」と思うかもしれませんが、チャージは不要で支払い時の使い方は一般的なクレジットカードと同じです。
法人も申し込める
個人だけでなく法人も申し込みが可能で、一般の法人カードほど審査が厳しくないのも特徴です。
法人カードは、「会社設立後◯年間は黒字経営であること」などの、審査基準が設けられており、赤字決済の場合は審査に通らないこともあります。
しかし、デポジット型法人カードは、保証金を預けることで貸し倒れリスクがないため、審査がそこまで厳しくありません。そのため、赤字決済であっても利用できるケースが多くあります。
デポジット型クレジットカードの選び方
デポジット型クレジットカードを選ぶ際のポイントを押さえておきましょう。
付帯サービスをチェックして選ぶ
付帯サービスが充実しているかをチェックして選ぶようにしましょう。
クレジットカードには海外・国内旅行傷害保険が付帯されていることが多いですが、旅行時に自動的に保険が適用になる場合と、旅行のツアー代金や航空券をカードで支払わないと適用にならない場合とがあるので注意が必要です。
ポイント還元率をチェックして選ぶ
クレジットカードは利用すればするほどポイントが還元されるので、ポイント還元率もチェックしておきましょう。
カード利用でのポイント還元のほかに、会員限定のショッピングモールの利用でポイントが倍増になったり、誕生月にポイント還元率がアップしたりするカードもあります。
支払い方法もチェックしておく
通常のクレジットカードは、分割払いやリボ払いなどができますが、デポジット型の場合は、分割払いに対応していないこともあります。
デポジット型クレジットカードのメリット
デポジット型クレジットカードのメリットについて見ていきましょう。
審査に通る可能性が高い
デポジット型クレジットカードの最大のメリットは、審査に通る可能性が比較的高いことです。
一般のクレジットカードは、自己破産などによる債務整理を過去に行ったことがあると、返済能力がないとして審査に通りません。
デポジットがあることで、利用代金の滞納が発生しても最終的にデポジットから回収できるので、与信力はそこまで厳しく問われない傾向にあります。
よって、信用情報に傷がついている人でも利用できる可能性があります。
使いすぎを防げる
利用できるのはデポジットの金額までなので、使いすぎを防げます。また、一般的にデポジット型クレジットカードには、キャッシング機能が付いていません。
そのため、無計画に借入をしてしまうようなことも起こらずに済みます。
デポジット型クレジットカードのデメリット
デポジット型クレジットカードにはメリットだけでなく、以下のようなデメリットもあることを頭に入れておきましょう。
最低保証金額を用意する必要がある
デポジットするお金を用意しなければ利用できないのがデメリットです。
クレジット会社によって異なりますが、基本的に最低デポジット金額が設定されているので、少なくとも最低額を入金しなければ利用できません。カードのグレードが高くなれば、最低デポジット金額も高くなります。
急に高額な買い物をするのは難しい
急な高額の買い物に対応できない可能性があるのもデメリットです。デポジットを追加入金することで利用限度額を引き上げることはできます。
しかし審査が入るので、デポジットを振り込んだからといってすぐに利用限度額が増枠するわけではありません。
デポジット型クレジットカードがおすすめな人はこんな人！
デポジット型クレジットカードは、以下のような人におすすめです。
延滞歴や審査落ち歴のある人
過去にクレジットカード利用分や消費者金融の借入金などの延滞歴がある人、クレジットカードの審査に落ちたことがある人などは審査に通りにくいので、デポジット型がおすすめです。
収入が不安定なフリーターや個人事業主
アルバイトで生計を立てている人や、起業して間もない個人事業主などにもデポジット型クレジットカードはおすすめです。
フリーターや個人事業主などは収入が不安定なことから、一般のクレジットカードだと審査に通りにくい傾向にあります。
複数枚のクレジットカードを同時に作りたい人
長期旅行などにより多くの利用限度額を確保したいなどとして、複数のクレジットカードを同時に作りたい人もデポジット型クレジットカードが向いています。
同時に複数のクレジットカードに申し込むと、お金に困っているのではないかと疑われ、審査に通りにくくなるからです。
審査落ちの履歴は信用情報に残りませんが申し込み情報は残り、審査に通った場合はクレジット情報が掲載されます。
一方、審査落ちした場合は申し込み情報のみしか出てきません。よって、申し込み情報から審査落ちしているのかを読み解くことができてしまいます。
デポジット型クレジットカードおすすめ3選
ここでは、おすすめのデポジット型クレジットカードをご紹介します。
デポジット型ライフカード
おすすめポイント
・20歳以上であれば申し込み可能
・海外・国内旅行損害保険とシートベルト傷害保険が自動付帯
・会員限定の優待割引サービスあり
・入会初年度はポイント還元率が1.5倍、誕生月は3倍に！
・年会費無料でETCカードの利用が可能
ライフカードは、20歳以上であれば申し込めます。
利用限度額（デポジット金額）は10万円なので、高額な買い物をする機会が少なく、食料品や日用品など普段の買い物をクレジットカードで決済したいという人などにおすすめです。
海外・国内旅行損害保険やシートベルト着用中に起きた自動車事故の補償を受けられるシートベルト傷害保険などが自動付帯されています。
さらに、海外旅行をサポートしてくれるサービスや、会員限定の優待割引サービスなどがあるのも嬉しいポイントです。
ポイント還元率は0.5％ですが、入会初年度は1.5倍、誕生月は3倍になります。
また、会員限定のショッピングモール「L-Mall」で買い物をした場合、最大でポイントが25倍になるので、上手に活用することでお得にポイントを貯められるでしょう。
| 申し込み資格 | 日本在住で電話連絡が可能な20歳以上の人 |
| 年会費（税込） | 5,500円 |
| 最低デポジット金額 | 10万円 |
| カードブランド | MasterCard |
| 追加カード | ライフETCカード |
| ポイント還元率 | 0.5%〜 |
デポジット型ライフカード ゴールド
おすすめポイント
・利用限度額は最大190万円まで設定可能
・付帯されている保険が充実している
・無料で利用できる空港ラウンジサービスもあり
まとまった金額のデポジットが入金でき、利用限度額をできるだけ高くしたい場合は、デポジット型ライフカードのゴールドカードが向いています。
ゴールドカードには、利用限度額（デポジット金額）が20〜90万円のタイプと100〜190万円のタイプがあり、どちらも10万円単位で入金可能です。
一般カードに付帯されている海外・国内旅行損害保険とシートベルト傷害保険にプラスして、購入した商品に損害が生じたときに補償を受けられるショッピングガード保険も付帯されています。
また、無料で利用できる空港ラウンジサービスなどがあるのも魅力です。
| 申し込み資格 | 日本在住で電話連絡が可能な20歳以上の人 |
| 年会費（税込） | 利用限度額20〜90万円の場合11,000円、利用限度額100〜190万円の場合22,000円 |
| 最低デポジット金額 | 利用限度額20〜90万円の場合20万円、利用限度額100〜190万円の場合100万円 |
| カードブランド | MasterCard |
| 追加カード | ライフETCカード |
| ポイント還元率 | 0.5%〜 |
Nexus Card
おすすめポイント
・年会費が1,375円（税込）で安い
・分割払いやリボ払いも可能
・本人認証サービス（3Dセキュア）を採用しセキュリティを強化
・デポジットの追加は1万円単位で可能
Nexus Cardは、年会費が1,375円（税込）と比較的安いのが嬉しいところです。
利用限度額（デポジット金額）は5〜200万円なので、頻繁にクレジットカードを利用する予定の人や、高額な買い物をカード決済で対応できるようにしておきたい人などに向いています。
支払い方法は一括のほかに、2回払い・分割払い・リボ払い・ボーナス一括払いが選択可能です。
ポイントは利用金額200円ごとに1ポイントが付与され、貯まったポイントはAmazonギフト券や電子マネー、各航空会社のマイルなどに交換できます。
また、第三者による不正利用を阻止する本人認証サービス（3Dセキュア）を採用し、セキュリティを強化しているのも特徴です。
| 申し込み資格 | 18歳以上（高校生は除く）で安定した収入がある人 |
| カード発行費（税込） | 550円 |
| 年会費（税込） | 1,375円 |
| 最低デポジット金額 | 5万円 |
| カードブランド | MasterCard |
| 追加カード | なし |
| ポイント還元率 | 0.5％ |
※出典：公式サイト
【番外編】アメックスカードのデポジットとは？
アメックスカードは、利用者それぞれの状況に応じて利用限度額が柔軟に設定されていることで知られているクレジットカードです。
そんなアメックスカードにもデポジット制度があり、デポジットを振り込めば利用限度額を増枠できます。
しかし、2021年にデポジット制度のルールが変更になりました。現在はどのようになっているのか解説します。
デポジットの利用は原則不可
アメックスカードは、2021年の半ばから利用限度額を上回るデポジットの入金は原則できなくなりました。変更の主な理由は、マネーロンダリング（資金洗浄）対策などのためです。
以前は、例えば利用限度額が200万円でデポジットを300万円入金すれば、500万円までの決済が可能でした。
それにより、高額決済でもポイントを取りこぼさないで済む、高額決済を滞納せずに支払うことで信用情報に好影響をもたらすといったメリットがありました。
しかし、ルール変更後は、すでに利用している金額とデポジットの合計金額が利用限度額内でなければなりません。
事前承認された場合のみデポジットの利用が可能
デポジットをするには事前に申請する必要があり、承認された場合のみ行えます。申請の手順は以下のとおりです。
手順1｜同意書を送付する
まずデポジットの申請をすると同意書がメールで送られてくるので、以下の必要事項を全て記入して提出します。
同意書に記入する主な内容
・カード利用者の基本情報（カード番号、氏名、連絡先など）
・デポジットの振込先金融機関
・デポジットの予定金額、および振込予定日
・デポジットによるカードの利用予定内容、および利用加盟店名
・利用予定日
同意書に記載した加盟店でのみ使用可能で、勝手に他の加盟店に変更して使用することはできません。
手順2｜デポジットをする
同意書を提出して承認されたら、デポジットの振り込みを行います。デポジットの入金は、利用予定日の前7日以内に済ませておかなければなりません。
手順3｜手続き後1週間後〜2週間以内に利用する
デポジットをしてすぐに利用できるわけではなく、メールで同意書を提出した日から1週間後〜2週間以内に利用するよう決められています。
まとめ
デポジット型クレジットカードは、あまり馴染みがないかもしれませんが、基本的な使い方は一般のクレジットカードと同じです。
デポジットを預けることでクレジット会社は貸し倒れリスクを回避できるため、与信力が低い人でも審査に通りやすい傾向にあります。
審査に不安がある人は、デポジット型クレジットカードを検討してみるとよいでしょう。
・本記事の内容は、本記事内で紹介している商品やサービスについて、いかなる団体や個人の意見を代表するものでもなく、いかなる保証をするものでもありません。本記事内で紹介している商品やサービスの詳細につきましては、当該商品やサービスを提供している企業様等にお問合せいただく等の方法でご確認いただきますようお願いいたします。
・本記事は、作成または更新がなされた時点の情報を基礎として作成されております。そのため、最新の情報とは相違が存在する場合がございます。
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April 04, 2022 at 09:00AM
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