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クレジットから株式へ、デフォルトの波が連鎖反応引き起こすリスク - ブルームバーグ

クレジットウオッチャーからの警告は何カ月も前から出ていた。迫りくるデフォルト(債務不履行)の波が株式市場の平穏を終わらせるだろうと。しかし今のところ、米国株は昨年8月に見られた高値水準に繰り返し達している。

  クレジット市場の悲観論者らは脅威が強まっていることを指摘する。米国では一度破綻した企業による2回目の破産申請が金融危機以来のペースとなっている。借り入れコストは上昇が続き、銀行は融資基準を厳格化させている。

  ウォール街のベテランの多くが、景気減速と共に高リスク企業の社債利回りスプレッドが拡大することになるだろうと想定。そうなれば企業が抱える危うい債務負担を今は見ないふりをしている株式市場が動揺するとみている。ジャンク債利回りの上昇と株式市場の不安定には強い相関があることは何年も前から明らかだ。

  BNYメロン・パーシング傘下のロックウッド・アドバイザーズの最高投資責任者(CIO)、マシュー・フォレスター氏は「市場の見通しは不当に楽観的に見える」とし、「現在の社債スプレッド、特に低格付け債については循環的、政治的、地政学的リスクの代価として適正な水準だとは思えない。高利回り債のスプレッドは大幅に拡大する必要がある」と話した。  

ゴールドマンのコスティン氏はS&P500種が4000に下落すると予想

Source: Bloomberg

  今のところ株式市場もクレジット市場もストレスに対して平然としているようにみえる。

  シティグループのストラテジストらは今週、S&P500種株価指数に対する新たな強気の兆候を指摘した。米債務上限引き上げについての合意に至ればさらなる強気材料になるだろう。

  投機的格付け社債の投資適格級債に対するスプレッドは現在500ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を下回り、リセッション(景気後退)や信用逼迫(ひっぱく)時の水準からは程遠い。

  しかし多数の企業破綻に伴いスプレッドが拡大し始めれば、株式のボラティリティーと高利回り債スプレッドの過去の相関に照らし、株式にとっての転換点となりかねない。債務負担の大きい中小企業の株価が影響を受けるだろう。

米国で過去24時間に7社が破産申請、利上げの信用収縮鮮明に

Stock Volatility Takes Its Cue From Junk Bonds | Junk bond yields correlate with stock gyrations

  スプレッド拡大の公算が大きくなりつつあるように見受けられる。米経済が来年リセッション入りする確率は65%とされているが、実際そうなれば高利回り債市場のスプレッドが少なくとも1000bp上昇する可能性があると、リーマン・リビアン・フリッドソン・アドバイザーズのマーティン・フリッドソン氏は試算する。

  信用環境のタイト化を踏まえれば現在すでに750bpであるべきだというのが同氏の見解だ。ソシエテ・ジェネラルが開発したモデルもスプレッド拡大が株式相場の変動を高めることを示唆している。

  株価は4-6月期に米欧で上昇しているが、クレジットを巡る不安は少なくとも株式投資家の意識を高めてはいる。ファンドマネジャーらは企業のファンダメンタルズにより注意を払い、手堅いバランスシートの企業を選好している。ブルームバーグのデータがまとめたデータによれば、財務の脆弱(ぜいじゃく)な企業ほど株価動向は低迷する傾向にある。

債務上限問題が重大な理由

Source: Bloomberg

  ソシエテのクオンツ調査責任者、アンドルー・ラプソーン氏によれば、持てる者と持たざる者のこの格差は景気減速に伴いより顕著になっていく。「リセッション入りし利益が減少しているときには、最終的にバランスシートが最重要になる」と言う同氏は、今はまだそこに至っていないが「一斉売りが起こったり市場が何かに反応し、バランスシートの最も弱い企業の株価が暴落するリセッションという最終章がやって来る」と予想している。

  バランスシートが健全な企業の株式バスケットは今年14.5%上昇。一方、債務水準の高いグループは1.1%の上昇にとどまっている。ゴールドマン・サックス・グループのデータによれば、この開きは2007年以降で2番目の大きさだという。

Large Caps Fare Better as Recession Fears Swirl | Sales estimates for S&P 500 versus small-caps are highest since 2016

  低金利時代に急増した投機的な成長株が、この安全第一へのシフトで最大の影響を受けるだろう。ゴールドマンの指数によれば、21年2月のピークまでの2年間に300%余り値上がりした不採算のテクノロジー企業が最もリスクが高い。

  中小企業も警戒が必要だ。23年4ー6月期は小型株から成るラッセル2000指数構成企業の収入が9.7%減る一方、S&P500種株価指数は0.4%減にとどまるとみられており、この差も7年ぶりの大きさとなっている。

原題: Looming Defaults Threaten Chain Reaction From Credit Into Stocks(抜粋)

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May 24, 2023 at 01:39PM
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