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PIMCO、プライベートクレジット取引で手荒な手法使う可能性も - ブルームバーグ

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)はここ数カ月、プライベートクレジットについて最も声高に リスクを指摘している投資家だ。今では、このホットな資産クラスに生じたひび割れが今年中にも顕在化するとみており、割安な資産を手に入れるためにヘッジファンドがよく使う手荒な戦術を採用する計画だ。

  ピムコには金融危機後の割安な住宅ローン担保証券への賭けなど逆張りの実績がある。プライベートクレジットに関するピムコの悲観的な予想が正しければ、1兆7000億ドル(約250兆円)規模の市場は厳しい現実に直面することになる。

   ブラックロック アポロ・グローバル・マネジメントなどプライベートクレジット大手はこの資産クラスの「 黄金期」をけん伝するが、ピムコは反対の立場を強めている。執行役員のクリスチャン・ストラック氏は、基準金利が迅速に低下しなければプライベートローン債権の価値が急落すると同時に、借り手は利払いに押しつぶされるだろうと予想する。

  「今まで見てきたことから考えて大きな動きになると思う。暴落があったら買いに入れるように準備している」と同氏はブルームバーグに述べた。

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クリスチャン・ストラック氏

Source: Pimco London Investment Summit, 2023

  同氏の見方が正しいかどうかによって影響が及ぶ範囲は、同社の利益や自身の満足感、富裕な投資家にとどまらない。プライベートクレジットファンドはかつて 投資銀行が行っていた高リスク企業への融資の大きな部分を引き受けている。こうした融資にディストレス状態の兆候が表れ始めることは、ビジネスの問題の深さを示すものかもしれない。保険会社や年金基金もプライベートクレジットファンドに投資している。

  ピムコは苦境にある企業の債務を買い入れて既存の貸し手を圧迫しようとする、ディストレスト資産投資の一部の手法も駆使する計画だ。プライベートクレジットの世界では通常、水面下での問題解決を目指すが、強引な手法ではプライベートレンダーがローン債権を過大評価していたかどうかが明らかになるかもしれない。

  ピムコが複数のファンドと共に病院人材派遣会社の エンビジョン・ヘルスケアに10億ドルの救済資金を提供した際には、他の貸し手の権利が侵害され、ディストレスト投資で債権者同士が 争う傾向が強まった。

  ピムコの米州外オペレーション・クレジット調査部門責任者のストラック氏は、プライベートクレジットについても、他の債権者より有利になる「スーパーシニアローン」について対象企業を保有するプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社と直接交渉する戦略を取ろうとしている。

 

悪い予兆

   プライベートクレジットの借り手企業で問題の兆候を見つけようとする動きは、米国の景気が底堅いものの今年減速し、英国を含む欧州はハードランディングに向かうというピムコの見通しに基づいている。ピムコのマニー・ローマン最高経営責任者(CEO)は2018年に既に、 リセッション(景気後退)がもたらす機会について語っていた。

ピムコは米景気が今年減速すると予想している

Source: Bloomberg

  「プライベート市場のディストレス状態の高まりについて一部の運用者が盛んに口にしているが、今のところ実現していない」と、リスク助言会社バリダスの ジャンルカ・ロレンツォン氏は言う。

  バンガードのクレジットのグローバル責任者、クリス・アルワイン氏も先週、今年下期の米 リセッションが企業債務に打撃を与えると警告したが、デフォルト(債務不履行)多発は予想していない。

  プライベートクレジットのローンが取引されることは少なく、価値が下がっても外部者にすぐに明確にはならないため、割安に購入するチャンスがある。また、プライベートクレジットの金利は通常、変動金利で基準金利に連動するため、想定よりも重い利払いコストを抱える借り手が多い。

  プライベート資産の指標としてよく使用される「固定費用カバレッジレシオ」は利益を賃貸料や公共料金、利払いなどの固定費で割ったもので、ストラック氏によると、現在は平均で約1倍となっている。利益が費用をぎりぎりでカバーしているということで、金利が現行のままかわずかしか下がらない場合、プライベートクレジットポートフォリオの最大4分の1が困難に直面すると同氏は見積もっている。

  ピムコは著名運用者のビル・グロース氏が率いていた時代から債券ファンドで知られているが、「オルタナティブ」投資やディストレスト投資への参入は16年からだ。プライベートキャピタルを含む同社のオルタナティブ資産は当初の300億ドルから増え、23年上期には1700億ドルに達していた。ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアアナリスト、チャールズ・グラハム氏が試算した。かなりの資金力があることになる。

Private Credit Booms

Preqin estimates it will grow to $2.8 trillion globally by 2028

Source: Preqin Pro

2桁台の利益

  ディストレスト資産のポートフォリオの一部は配当を生みつつある。22年に買い入れた引受金融機関が売ることができないバイアウト債務数十億ユーロを最近 売却し始めたが、2桁台の利益が出ている。

  しかしプライベートクレジットに関しては忍耐が必要だ。規制当局はピムコなどからの警告に耳を貸し始めているものの、市場は透明性を欠き流動性が乏しいため、持続的な下落傾向や本物のトラブルの兆候はまだ顕在化していない。

  また、力づくで参入するのが難しい事業だとの指摘もある。 ティケオー・キャピタルのセシル・メイヤーレビ氏は「プライベートデット業界の主要な特徴の一つは問題を自身で解決しようとすることだ。最終的にわれわれは企業を助けようとする。借り手企業がわれわれを好むのはそのためだ。われわれは企業をリスクにさらしたり、正式のプロセスを通じたりせずに柔軟に対応する。誰かがこういうことをやろうとしても難しいと思う」と話した。  

  ピムコとしては、ダイレクトレンダー(直接金融業者)が、銀行など自身の債権者からの圧力のために、不良化したローンを迅速に売る必要が生じるのを期待している。

  また、プライベート資産の価値評価はファンドマネジャーの裁量によって行われ、ジャンク債や銀行が提供するレバレッジドローンのような流通市場がないため時価評価がされていない。ストラック氏に言わせればこれは、ローンがミスプライスされている可能性を意味する。

  時価評価はミスプライシングの可能性について「シグナルを送り市場が機能するようにする健全な方法だ」とストラック氏は話した。

 

原題: Pimco Squares Up for a Bareknuckle Fight in Private Credit(抜粋)

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January 31, 2024 at 11:00AM
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