Search

バーチャルカードとは何か? クレカ利用時に多くのリスクを軽減してくれる仕組み - Business Insider Japan

GettyImages-1149848068

バーチャル・クレジットカードは多くのセキュリティリスクを軽減してくれるとはいえ、誰かがあなたのアカウントをハッキングすれば、新たなリスクが生じる可能性がある。

mapodile/Getty

  • バーチャルカードを使うと、購入時にいつものクレジットカード番号がバーチャルカード番号に置き換わる。
  • バーチャルカードを使うことで、不正利用者から金融情報を保護できる。
  • 店側にとってのデメリットは、顧客の特定が難しくなることだ。

クレジットカードを紛失して誰かがそれを使っているのではと心配になったり、クレジットカードが財布の中にあるのに、請求書に見知らぬ不正利用が表示されたりしたことがあるのはあなただけでない。セキュリティ関連商品のレビューやチェックを行っているセキュリティ・オーグ(Security.org)によると、米国では成人の約半数がクレジットカードやデビットカードを不正利用された経験を持つ。

こうした問題が近い将来なくなるとは思えないが、オンラインショッピングや直接店舗で買い物をする時でさえも、バーチャルカードを使って実際のクレジットカード番号をわかりにくくする予防策を講じるのは得策かもしれない。

バーチャルカードとは何か?

クレジットカードは16桁か15桁の不変の数字で認識される。オンラインショッピングの際にこれらの数字を入力する時に覚えてしまった経験はないだろうか? あるいは、すぐに決済できるよう、これらカード情報をサイトに残している人もいるだろう。

バーチャルカードは、元のクレジットカードに紐づけられた新しい番号で構成されており、その番号を決済時にクレジットカード情報を求められるたびに入力できる。

例えば、ショッピングサイトがハッキングされて、いつも使うクレジットカード情報が流出すれば、ハッカーはできるだけ多くそのカード情報を不正利用しようとするだろう。だが、バーチャルカードなら、何層もの分離構造を完備してカード保有者を守る。利用店舗や利用金額を制限して、一定の回数だけ利用できるようにバーチャルカードの番号を設定できるのだ。

こうした保護機能がないバーチャルカードであっても、元のクレジットカード番号を利用中に個人情報の盗難や不正利用が疑われる場合には、バーチャルカードの利用を停止できるだろう。

また、店側には元のクレジットカード番号が表示されないためプライバシーを保護できる。店舗で購入するたびに、違うクレジットカードに見えるものを使っているとも言えるだろう。

「ここ数年バーチャルカードが増えているのは、オンラインショッピングの人気が高まっているからだけでなく、消費者のプライバシーやセキュリティ意識が高まっているからだ」と、企業のオンラインセキュリティ管理を支援する新興企業のシフト(Sift)のトラスト・アンド・セイフティ部門でヴァイス・プレジデントを務めるケヴィン・リー氏は語る。

注:消費者の中にはバーチャルカードのプライバシーを評価する人もいるが、同時にカード番号が常に変わるため、店側が円滑な顧客体験を提供しにくい。それが、店側がこうした新しいバーチャルカードの信頼性を疑い購買を拒否するといった問題につながることがある。

バーチャルカードの仕組み

バーチャルカード取得方法の1つは、今持っているクレジットカード会社に発行してもらうことだ。すべてのクレジットカード会社がバーチャルカードを発行しているわけではないが、クレジットカード口座にログインすると、バーチャルカードの申込みサイトが表示されるかもしれない。デビットカードでも、利用銀行がバーチャルカードのオンライン発行サービスを提供していれば、同様に申込できるだろう。

利用しているクレジットカード会社が、新しいバーチャルカードの発行に利用できるブラウザ拡張機能やアプリといったツールを、しばしば無料で提供しているかもしれない。

ワンタイム利用のバーチャルカードを発行してもらうオプションもあれば、無期限で利用できるバーチャルカードを発行してもらうこともある。だいたいは、クレジットカードの発行体とそのカードが自己利用かどうかによって決まる。

注:新しいクレジットカードを発行するときと同じく、バーチャルカードを発行しても、通常信用スコアに影響しない。

Apple PayやGoogle Payを利用しているならば、すでにバーチャルカードを使っているかもしれない。こうしたデジタルウォレットを利用するには、はじめにいつものクレジットカード番号(またはクレジットカード会社を通じて発行されたバーチャルカード)を入力しなければならない。その後デジタルウォレットが、トークン化されたカードを店側に提供する。

「支払時にカードをタッチしても、店舗に実際の16桁のカード番号が送られるわけではない。店側はトークン化されたクレジットカード番号、つまりバーチャルカード番号を受け取る。もちろん、消費者には高いセキュリティと利便性が提供される」とリー氏は言う。

同じことがVisaやMastercardといったカード会社が提供する「click to pay」サービスにも当てはまる。リー氏によると、一般的にデジタルウォレットでは初期設定でトークン化/バーチャルカードが利用されるが、カード情報を保管しているウォレット業者やサイトに確認すれば、いつものクレジットカード番号を使っているか、バーチャル番号を発行しているかを確かめることができる。

バーチャルカードのメリットとデメリット

バーチャルカードにはセキュリティとプライバシーという点で消費者に多くのメリットがある。企業にもまた、従業員に物理的なカードではなくバーチャルカードを渡す利点がある。

だが、購入時にバーチャルカードを発行するための手順をいくつか踏まなければならないなど、潜在的なデメリットもある。また、バーチャルカードはその他セキュリティ面の課題に対応しているものの、口座がハッキングされた場合など新たな不正問題が生じることがある。

メリット       デメリット
セキュリティの向上:バーチャルカードには利用制限を設定できるので、セキュリティを高められる。不正利用者がバーチャルカード情報を入手したとしても、支出や利用店舗が制限されていれば、そのカードで購入できないだろう

店舗に対するプライバシーの保護:バーチャルカードは通常のクレジットカード番号をわかりにくくして消費者のプライバシーを保護することができる。そのため店側が購入と特定ユーザーとを紐づけることが難しくなる

会社利用に最適:特にビジネスのシーンではバーチャルカードはコントロールが聞きやすい。例えば、企業は1回限りの利用のためにバーチャルカードを発行し、どこの店でクレジットカードを利用できるか指定し、従業員に対し利用限度額を設定できる

プロセスの煩雑化:バーチャルカードはかざして支払うだけなので比較的スムーズに利用できる。だが、支払完了までにタブやアプリを切り替えてバーチャルカード番号を発行しなければならないなど、消費者の購入プロセスが煩雑になることがある

不正リスクを排除できない:バーチャルカードはさまざまな方法でセキュリティを強化できるが、同時に新たな不正リスクももたらす。例えばサイバー犯罪者がクレジットカード口座にアクセスすれば、複数のバーチャルカード番号を作成して不正警告を回避するかもしれない。クレジットカード会社がこうした不正に対して利用者を免責したとしても、店やクレジットカード会社などの第三者がその負担を負うだろう

非効率性:もう1つのデメリットは混乱だ。店側が購入を特定の消費者と結び付けにくくなるだけでなく、複数のバーチャルカードを使う消費者は、どのカード番号がどの口座と紐づいているのか追跡する必要がある

いつバーチャルカードを使ったら良いのか?

個人と企業の両方について、バーチャルカードのさまざまな利用ケースが考えられる。なぜなら、バーチャルカードを作っても普通は、与信審査が必要で信用スコアに傷がつきかねない新たな与信枠の設定にはならないからだ。単に、新たな番号を作るに過ぎない、とキャッシュレス支払システム会社タッピット(Tappit) の最高商務責任者(CCO)のローレン・エケルブーム氏は説明する。

「バーチャルカードをめぐるサービスの方が格段に進んでいる。物理的なクレジットカードだと紛失や意図しない利用などの問題がたくさん生じる」とエケルブーム氏は言う。

バーチャルカードの利用事例は以下の通りだ。

オンラインショッピング:サイバー犯罪者によるクレジットカード情報の盗難を心配するならば、ブラウザ拡張機能やアプリを利用して、電子商取引ごとにワンタイムのバーチャルカードを発行してもらうという手もある。

タッチ決済:実店舗で購入する場合、実質的にバーチャルカードを利用したタッチ決済が可能だ。例えば、食料品店でApple PayやGoogle Payを利用すると、その店には実際のクレジットカード番号ではなく、トークン化された情報が送られる。あるいは物理的なクレジットカードでタップ決済もできるが、その場合もトークンが発行される。

従業員のクレジットカード管理:経費精算用に、従業員全員に物理的なクレジットカードを送付するのではなく、利便性と管理性の高いバーチャルカードを支給できるだろう。例えば、特定の種類の購入にのみ利用できるバーチャルカードをマーケティング部に発行すれば、経理部はこれら取引に関する情報を直接入手できるので、経費精算時に思わぬ支出に驚くという事態は生じない(エケルブーム氏)。

まとめ

総括すると、バーチャルカードはクレジットカードの安全性を高める取り組みの一環になる。特に店側にはデメリットになりうることもあるが、消費者保護を強化できる。同時に、従業員に利用を制限したコーポレートカードを持たせたい企業など、組織で利用できるツールとしても役立つ。

Adblock test (Why?)



"クレジット" - Google ニュース
January 31, 2024 at 03:30PM
https://ift.tt/uU7lFs3

バーチャルカードとは何か? クレカ利用時に多くのリスクを軽減してくれる仕組み - Business Insider Japan
"クレジット" - Google ニュース
https://ift.tt/Tz53fOD
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "バーチャルカードとは何か? クレカ利用時に多くのリスクを軽減してくれる仕組み - Business Insider Japan"

Post a Comment

Powered by Blogger.