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<わたしの転機>ロンドンで板前20年経て、帰国後ティーハウス店主に 浅利豊作さん(68) くつろぐ場 紅茶で演出 ... - 東京新聞

2人前のアフタヌーンティーセットを手に、「ロンドンの定番です」と話す浅利豊作さん=名古屋市南区で

2人前のアフタヌーンティーセットを手に、「ロンドンの定番です」と話す浅利豊作さん=名古屋市南区で

 英国ロンドンで和食店を経営していた浅利豊作さん(68)が、名古屋市南区に「英国ティーハウスMOMO」をオープンして20年になる。モーニングサービスに代表されるコーヒー文化圏で、伝統的なアフタヌーンティーを提供し続けている。「ゆっくりしていってよ」と店内では今日も会話に花が咲く。 (藤原啓嗣)

 中学を卒業後、地元秋田県の料亭で板前として働きました。手に職をつけて独立できる道を進みたかったのです。高校に行きたい気持ちも少しあったけれど、料亭で働き始めると、同じような仲間ばかりで気にならなくなりました。

 勤務時間が長くて体調を崩したこともありましたが、焼き物を担当する焼き場やわん物を扱う煮方とステップアップしていきました。日本企業の進出や健康的な食事という見方から、海外に和食レストランが増えていたころです。ロンドンのレストランでヘッドシェフ、つまり板長を募集していると聞いた1982年、26歳で応募して採用されました。

 レストランではすき焼きや天ぷら、しゃぶしゃぶ、カツ丼と和食全般を出していました。仕入れ先の市場では現地の人にかわいがられました。「キャベツじゃなくてキャベチと発音した方が通じるぞ」と教えてもらったことも。

 働いていたレストランの関係者向けパーティーで妻と知り合い、結婚。長女が生まれて1歳になった90年に独立しました。覚えてもらいやすいかなと、ドイツの作家ミヒャエル・エンデの小説から「ジャパニーズレストランMOMO」と名付けました。和食店が少なかったロンドン西部に出店し、日本企業の駐在員にも好評で、3年でローンを返済しました。

 妻の父の体調が悪化し、2003年に帰国。和食店との競合は避けたかったし、ロンドンで吸収して培った紅茶文化を発信したかった。そこで義父の菓子店を改装し、04年に愛着のあるMOMOの店名でティーハウスを始めました。赤れんがの外装で、店内にはアンティークカップを飾りました。

 ロンドンはティーパーティーが盛んで、現地ではスコーンやパイ、タルトを焼きました。いろんな国の人が暮らしていて、ギリシャのムサカやキーウ風カツレツなどおいしい食事もたくさん。私の記憶に残る味を今も出しています。

 紅茶はダージリンやアッサムといった定番や、フルーティーな風味のマルコ・ポーロなど20種以上あります。「紅茶は厳しい」と助言してくれる喫茶店主もいましたが、インターネットで人気が出て、今は「スコーン七つ持ち帰りで」なんて客も珍しくないです。

 開店時は私が英国の文化に染まっていたから大変。「提供が遅い」と言われましたが、むこうはランチやディナーに数時間かけるものです。話し好きの私がゆっくりしてもらおうと客に話しかけたりしているうちに、世間も変わったのかな。これからもうちでゆったり過ごしてほしいです。

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