アメリカ大統領選の投開票日以来、トランプ大統領が「選挙の不正」と「開票の停止」を訴えている。
民主党が各激戦州でバイデンの名にすでにチェックが入った偽造票の束を、USPS(合衆国郵便公社)の集配システムの中に紛れ込ませるなどの不正をしたというのが、トランプ陣営の言い分だ。“もしこれが本当だとすると”、今もなお集計が続いている激戦州で、これらの不正郵便投票が次々に届いており、バイデンがさらに優勢になる見込みだ。
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今年の大統領選について、筆者の周りの有権者からはこのような声が聞こえている。
- 「選挙プロセスに、郵便投票、期日前投票、投票者の身分証明書のチェックが不十分、投票ハーヴェスト(不正な投票数の収穫や操作)など、詐欺がたくさんあったようだ。大統領に同情する」
- 「今年の選挙は波乱に満ちており、人々をハラハラさせる。まるで殺人ミステリーのテレビドラマを観ているようだ」
- 「2000年のブッシュ対ゴアの対立を思い出した」
- 「早く(逐一ニュースをチェックする生活から)日常に戻りたい」
本稿では、現地でささやかれている疑わしき「不正行為」をいくつか紹介する。
死人が投票?
ニュースナウFOXが11月5日に報じたこの動画は、トランプ大統領のリーガルチームがネバダ州ラスベガスでの不正投票について記者会見を開いたもの。会見の後半では、自分と同居人の投票用紙が他者に盗まれたと言う高齢の女性も証言者として現れた。
ネバダ州では、まだ勝敗が決まっていない。法的に有効でない票が今もなお集計されているとしてトランプ陣営は5日、開票の差し止めを求める訴訟をラスベガスの連邦地裁に提訴するとした。同州では現時点(日本時間6日午前7時)で、バイデンが60万4251票、トランプが59万2813票と、バイデンが1万1000票リードしている。
選挙不正というのはこれまでよく起こっている。これは以前の予備選でのことだが、今回バイデンが勝った激戦州のミシガン州デトロイトでは昨年12月、FOX2ニュースにより、1823年生まれの人を含む2503人のすでに亡くなった人々が投票登録し、訴訟問題になるなど不正行為が報じられるなど、以前から問題になっていた。(係争中のため真偽は不明だが、ネット上にはFOX2が報じたTV画面が残っている)
バイデン票にチェックが入った郵便投票が郵送されていた?
CNBCニュースやFOXビジネスのコントリビューター、ジェイク・ノバック氏は10月30日、ツイッターでこのような投稿をし、瞬く間に拡散された。
- この動画は10月28日、私がNYクイーンズ地区の男性から郵送で受け取った投票用紙を調べているものだ。 午後12時20分に詳細を公開する予定。
ノバック氏はこの前日も「数人がバイデンの名の記入済みの投票用紙を受け取り、返信するように言われている。これは明らかな違法行為だ」と投稿していた。
同州の投票所の管轄を行う選挙管理委員会は、同氏のツイートに対し「手で記入したように見えるし、このような(不正の)報告はほかに受けていない」と反論した。
さらに同委員会は、動画に映っていた不在者投票用紙の投票IDから辿り、ファクトチェックを専門とする別の機関を通して調査を行った。その結果、投票用紙を受け取った有権者(カリフォルニア州在住)に連絡し確認したところ「投票用紙は白紙の状態で受けとった」ということがわかったようで、改めて不正の投票用紙の存在を否定した。
ノバック氏の発信内容についての真偽は不明だが、同氏は今現在も、不正選挙だとする該当の動画やツイッターを取り下げていない。またこの世の中、どのような団体機関であったとしても、さまざまな因果関係で組織単位で虚偽の発表をすることはあるし、該当の有権者が必ずしも真実を言うとは限らないため、この疑惑についてはどちらの言い分が「真実」かというのは裁判所でない限り判定はできない。
同氏はその後、このようにツイートしている。
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(Text by Kasumi Abe) 無断転載禁止
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