通信キャリア各社の2024年1~3月期決算が5月中旬までに出揃った。そこで各社の主要数値をグラフ化し比較していく。初回は、各社が注力する金融・決済関連の動向を整理してみたい。
通信グループ各社のクレジットカード会員数、揃って拡大続く
通信グループ各社のクレジットカード会員数は、携帯電話利用料支払い時の割引特典やキャリアショップ店頭での獲得活動など、各社ともさまざまなアプローチで取り組んでおり、順調に拡大している。
実際、23年度(23年4月~24年3月)の1年間で、PayPayカードが158万会員、dカードが96万契約、au PAYカードが89万会員、それぞれ増加している。
楽天カードは、定常的な開示が会員数ではなくカード発行枚数となっているため他社との比較が難しいが、同時期に190万枚増と、3000万枚を突破後も増加ペースが続いている。
カード会員数(発行数)の拡大にともなって決済額も拡大している。決済という観点では、これにQRコード決済等も加わることとなり、通信キャリアが提供する決済サービスが広く浸透しつつあるといえる。
クレジットカードとは異なり、ポイントの成長には一部息切れ感も?
決済と並んで経済圏の中核となっているポイントについては、その成長に一部息切れ感も出始めている。
上のグラフは、「dポイント」の会員数と利用額の推移を示している。会員数の増加は堅調で、23年度には1億の大台を突破している。
他方、ポイントの利用額に関しては、23年度はわずかながら22年度を下回った(51億ポイント減)。四半期ごとに見ると、23年度第2四半期以降、3四半期連続で前年同期比割れの状態が続いている。
前年度である22年度は、マイナポイント事業の第2弾(マイナ保険証申込などによる還元)が行われ国から巨額なポイントが配布された時期にあたる。そこで一時的にポイント利用が急増した反動が前年割れの主因とみられ、一過性の動きとみられる。
あわせて今年に入り、Amazon.co.jpへのdポイント導入、「ドコモポイ活プラン」の創設など、矢継ぎ早にポイント強化策も打ち出された。今後のポイント利用回復に期待したい。
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May 25, 2024 at 04:00AM
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