2019年にインターネット通販サイトから流出したクレジットカード情報は34万件に上り、前年の2倍以上に急増したことが民間会社の調査で分かった。流出したサイトの多くが「EC-CUBE」というソフトで作られており、経済産業省は通販事業者に注意を呼び掛けた。
通販サイトの不正検知を手掛ける「かっこ」(東京)によると、クレジットカード情報の流出件数は17年が約15万件、18年が約16万件だったが、19年は12月中旬までに約34万件となった。特に7~12月の下半期は24万8655件と集中した。
クレジットカードの安全性に詳しい大日本印刷の佐藤俊介氏の調査では、19年にクレジットカード情報が流出した通販サイトの4分の3以上に「EC-CUBE」が使われていた。このソフトは無償ソフトで、国内約3万5千の通販サイトに使われているとされる。
開発元のイーシーキューブ(大阪市)は「ソフト自体に欠陥はない」とし、通販事業者の委託を受けて実際にサイトを作る代行業者の設定不備に問題があると説明した。だが経産省は「大量のカード情報が漏れているのは事実」と強調。EC-CUBEを名指しして注意喚起した。
専門家によると、今回の手口は、利用客が支払いにクレジットカードを選ぶと偽の決済画面が出現するものと、正規の決済画面に不正プログラムが埋め込まれていて入力した情報が盗まれるものがある。いずれも商品は正常に発送され、利用客は情報流出被害に気付きにくい。
京都の食品会社「京都一の傳」は19年5月までの9カ月間でクレジット情報1万8855件が流出したと発表。氏名やメールアドレスなどの個人情報7万2738件も盗まれ、一部は別のクレジットカード番号を盗むための偽メールに使われた。〔共同〕
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January 06, 2020 at 05:02PM
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クレジット情報流出が倍増 通販サイト、19年は34万件 - 日本経済新聞
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